ありがとうございました。

先日、旅を終えて無事に帰って参りました。


アタカマ沙漠縦断は成し得ませんでしたが、今は割りと満足しております。


お世話になった皆さまにここでお礼を申し上げます。


以前の職場の皆さま。
不出来な自分を叱咤激励し、退職する際は笑って送り出して下さいました。


大阪市阿倍野区プロショップアクオードさま。 
自転車購入当初から様々な相談に快く乗って頂き、サポートして下さいました。


株式会社mont-bellさま。
寝袋、テント、Tシャツ2枚、レインジャケット上下、バックパックを提供して頂き、出発前は旅の計画や思いも聞いて下さいました。


長居道場の皆さま。
いつも何かと気にかけて頂き、突然の旅宣言にも関わらず応援して下さいました。


友達。
何も言えない笑 言いたいことは、言わなくても、伝わっていてもいなくても、それでいいと思う。


家族。
一番心配をかけました。ここにも本当に何も言えない笑 


このブログを読んでくれていた皆さま。
拙い文章で読みづらいことも多かったと思います。ですが読んでくれていた方がいるから書くことが出来ました。
 

皆さま本当にありがとうございましたm(_ _)m



旅には引力があります。


心底嫌になって「もう2度やらない」と何度誓っても、気が付いたら自転車と共に外国にいます。


そして、日常には重力があります。


その重力の正体は「皆さんの存在」です。


それが僕をここに引き戻してくれました。


だから、あなたのおかげで帰って来れたんです。


奥村 大海

エピローグ


「あの日々は、まぼろしだったのだろうか?」


湿った空気、


電車、


化粧をして歩く女の子、


洋服屋、


耳に入る日本語、


3ヶ月振りに歩く大阪の街は、どこか夢のようなふわふわした感触がした。



僕は着地点を探した。


この旅の着地点。


それを探しながらも「まあ見つからないだろうな」ともどこかで思っていた。




旅をする。


既知から未知に向かうその行為は、まるで大人が子どもに逆行していく過程の様だ。


僕たち大人は、子どもが何も知らないと思うけど、


子どもは大人より、この世界に意味をつけていないだけだ。


生まれて間もない赤ちゃんは、その最たるもので、


みるものは全て真っさらで、何の意味ももたない。


椅子をみても「座るもの」だなんて思わないし、(そもそも「座る」をしらない)


スーパーで少年がポケットに売り物のガムを入れても「悪いこと」なんて思わないだろう。


ただその物体、その行為をみている。



そもそも世界は意味をもたない。


成長していく過程で概念を獲得し、言葉を知り、意味が染みつく。


だとしたら、意味をもたない世界がほんとうの世界で、


それをみている赤ちゃんは、この世界のことを何も知らないが為に


「この世界のほんとうの姿を知っている」ということにならないだろうか。


いや、なる。


理屈からいってそうなる。



知らない言葉、


知らない風景、


知らない人たち、


知らない感情、


そんな未知に出会う旅は、意味をもたない赤ちゃんの世界に似ている。


そしてそれは日常に戻った時にも影響を及ぼし


世界は少しだけ、ほんとうの姿を取り戻している。


(あのふわふわは、それに伴う酔いみたいなものだったのかも知れない)




子どもはよく笑う。


まるで意味のついていない世界が


愉快で、楽しくて仕方がないみたいに。


僕もできれば、そうやって笑っていたい。


そして、それにだけ名前をつけよう。


「自由」と。

㉛葛藤と強風

 

「でも、本当にこれでよかったのか?」

 

「途中道を挟んだとしてもまた沙漠に入ってカラマを目指すべきじゃなかったのか?」

 

「いや、最初のことを思えばこれでも上出来じゃないか。」

 

「モチベーションが切れた時点でどちらにせよそこまでの実力だ。」

 

自問自答を繰り返しながらカラマを目指した。

夕方、適当なところにテントを張った。

 

翌朝、過去最高の強風が吹いていた。

テントの形が変わり、壁が風に押されて迫って来る。

カトリーナ的な竜巻が近づいて来てるんじゃ」と何度も外を見た。

 

しかしこんな時でもさすがモンベルのテントだ。

全くポールが曲がったり折れたりする気配が無い。

 

いや、僕は変わらず企業に魂を売るつもりはない。

 

いくらこのモンベルのステラリッジテント抜群の耐久性の上に

1.5kgにも満たない軽量さと畳んだ時のコンパクト性をもってしても。

 

ペグを打たなければ初心者でも5分程度で設営出来てしまうとしても。

 

このテントはロングセラー販売中だが、

僕の媚びは非売品なのである。

 

 

 

それにしてもあまりに強い風だ。

段取りを頭の中で立て、一気にテントを撤収する。

寒さで思考が飛ぶので、声を出して命令口調で自分に指示を出した。

なるほど、これは良い方法かも知れない。

 

それからしばらくは物凄い追い風の上に、アスファルト効果で

まるでスクーターの様に漕がずに進むことが出来た。

 

そして、一日かけてカラマに到着した。

 

㉚旅の終わり

 

8日目の朝。

意外と夜は熟睡することが出来た。

夜中爆発は無かった。(音が聞こえなかった)

これは行ける。はず。

 

クレに近づいていくと、クレの淵で作業車の様なものが動いていた。

 

「ん?人がいる?」

 

一体ここはなんなのか。近づくごとにこの付近一帯が、なんらかの作業場になっているらしいことが分かった。何かを採掘しているのだろうか?あの爆発は一体?

 

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遠くから見ると平面に見えるが、実際に進んでみると物凄い谷多発地帯だ。

ほとんどの谷が中ボスから大ボスクラスで進むのにとにかく時間がかかる。

 

しばらく進んでいくと、未舗装路が行く手に何本か走るようになってきた。

恐らくこの作業地帯の為に作られた道だろう。

忌まわしく思いながら、避けて進んだ。

やがて、道を通らなければ前に進めない状態になった。

 

仕方なく道を通った。

ここでモチベーションの糸が完全に切れた。

 

今まで町に寄りながらではあるが、

スタト地点からここまで約580km沙漠上は道を使わずに進んで来た。

すごく格好つけた言い方をすれば、この沙漠に自分だけの1本の線をひいて来た。

 

道は誰かが作ったもので、当然何人もの人が通っている。

純粋な自分のわだちはここで途切れたも同然だった。

この先何km道を通らなければいけないかは分からないが、

沙漠上で道を使った上で、その後沙漠にまた入ってゴルを目指すモチベーションは無かった。

 

(もういい。ここで終わりだ・・・)

 

こうして、僕の沙漠の旅は終わった。

 

 

㉙謎の爆発

 

「え?何あれ?」

 

全然分からない。火山?あそこ通ってたらやばくなかったか?

たまたま今噴火した?どんな頻度であれは起こってるんだ?

 

次に考えたのが

 

「一番手前のデカいクレーが今噴火したらここにいるのはヤバいんじゃないか?

 

ということだった。

 

近くに盾になってくれそうな大きい丘があったので、そこまでダッシュする。

そして、今日どうするかを考えた。

心境としては、一刻も早くここから離れて安心した夜を迎えたかった。

しかし・・・

 

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二年くらい前、僕は神戸の山で遭難しかけたことがあった。

ハイキングする程度の低い山だ。

 

普通に進んでいると思っていたのに

いつの間にか登山道を外れていて、魔法にかかったように森の中にいた。

見事なトリック。コナンも真っ青だ。

 

その時僕は一刻も早く安心したくて「迷っていない状態の自分」に戻りたくて

慌てて右往左往した。

そうしたら迷った時点の場所も見失ってしまった。

さらに焦った。

 

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この経験から

 

「こういう感じの時に慌てたら終わり」

 

ということを学んだ。

 

今の時点であれがなんなのかさっぱり分からない。

この先に見えてるもの以外にクレーがあるかも知れない。

もう日没まで間もなく、行動出来る残り時間も少ない。

今日はここで一泊しよう。

 

「笑い話になりますように・・・。」

 

そう願いながら、寝床の準備をした。

 

㉘夏の日の夕立のように

 

ルが近づいて来ている。

それにつれて日本への欲求が高まって来ている。

いや、期待しちゃダメだ。

結局はまた、元の日々の生活に戻るだけなんだから。

 

手にしたはずの大事な答えみたいなものも、

いつの間にか日々の中で

手のひらからすり抜けて消えていってしまう。いつも。

 

こころの内のしんとした場所は、

いつまで僕の中にいてくれるかな。

 

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旅の終わりは突然やって来た。

 

7日目。

もう4時くらいなので、もう少しだけ進んで今日はテントを張って休もうと思っていた。

 

ふと自分が進む前方の方面に、いくつかクレの様なものが見えた。

4kmくらい先だろうか。

 

「ん?」

 

でもクレにしてはちょっとした山のように盛り上がり過ぎている。

でも真ん中は空洞になっている様に見える。

 

「温泉かなあ?」

 

などと思っていると、その付近から少し煙が上がっているのが見えた。

そして

 

ーーン!!

 

という重い音が鳴って、上空に一気に噴煙が拡がった。

 

㉗「なんでそんなことするの?」

 

「なんでそんなことするの?」

 

こういったただ辛いだけの様に思える(ほぼ当たっている)旅をしているとよく

そう聞かれる。

自分でもはっきりとは分かっていないこの疑問を人からぶつけられると

当然答えに窮する。

 

あなたは今何をしているだろう。

このブログを読んでる。

ではなぜこのブログを読んでいるのだろうか。

 

恐らく原因(理由)はひとつでは無いはずだと思う。

ではその複数ある原因の一つだけ取り上げて、その原因の原因も思い浮かべてほしい。

 

これもきっと複数あるはずだ。

そしてもし出来れば、あなたがもうどうしようもない位暇なら、

その原因の原因の原因も探ってみてもいい。

 

こうやってひとつの事象から過去をさかのぼれば

まるで枝葉が無限に分かれて行くように、原因という葉が拡がっていく。

しかしそれらはやがて収斂していき、ある点に辿り着く。

全ての原因の原因。

 

それがこの宇宙の始まりだと思う。

 

自分がなぜ今こんなことをしているのか?

 

それを完全に説明出来るということは、極論すれば宇宙の始まりを説明出来るということになる。理屈から言ってそうなる。

 

だから「なんでそんなことするの?」と問われると、

宇宙の秘密を知りたい僕からすれば

反射的に「いやそれが知りたいんですよ」と言いたくなるが

 

確実に変な人だと思われるので(もう手遅れだという説もある)

なんとかかんとか言って、誤魔化している。

 

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